【登山道具】湯沸かし対決!ジェットボイルvsプリムスvsイワタニvs家のコンロ
登山では平地を歩くよりも多くのエネルギーを消費するので、いつもよりもお腹が減る!
行動食で小まめにエネルギーを補給するのも大切だけど、メインの食事は座ってゆっくり温かいご飯を食べたいですよね?
そして登山での食事といえば、カップ麺・アルファ米・コーヒーなどが多い
これらはお湯さえあれば作れます!
- 山に肉や野菜を持ち込んで調理するのは少しめんどう…
- 山小屋での食事は食べる時間と場所が制限されるし、一食1000円オーバーがあたりまえ…
このような悩みから登山食では手軽さを第一優先する人が多いと思います
お湯さえあればなんとかなる事が多いので、湯沸かし道具はとても大切です
湯沸かしに必用な道具は バーナー、ガス缶、クッカーの3つです (固形燃料派の方はごめんなさい)
一体型の商品以外は、様々なメーカーのものを組み合わせて使いますが相性もあるので自分のスタイルに合ったベストセットを見つけるのも楽しいですよね
今回は私が登山で愛用しているバーナーとクッカーを使った湯沸かし対決を行い、それぞれの特徴を紹介していきます!
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◆湯沸かし道具の重要点
- 短時間で水を沸騰させること
- バーナー、ガス缶、クッカーの一式がコンパクトかつ軽量であること
- 使用ガスが少なくて予備のガス缶を少なくできること
(◆ガス缶の種類)
ガス缶には大きく分けてOD缶とCB缶があります
- OD缶はアウトドア用のガス缶です、高価ですが頑丈で耐寒性など優れる、ボテッとした形
- CB缶は家庭用カセットコンロなどに使われる、安価だしコンビニでも買える、長細い形
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【対決方法・条件】
- バーナーのMAXパワーで沸騰までの時間とガス使用量を計測
- 水温:8℃ (冷蔵庫で冷した水道水)
- 水量:300cc (カップ麺を想定)
- 室温:22℃(春のキッチン、無風)
- 重量、コンパクトさも考慮して対決する
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【エントリー選手】
①ジェットボイル zip
②プリムス「P-153 ウルトラバーナー」& ユニフレーム「山クッカー角形3」…の小鍋
③プリムス「P-153 ウルトラバーナー」&スノーピーク「チタンシングルマグ 450」
④イワタニ「ジュニア コンパクトバーナー」&ユニフレーム「山クッカー角形3」…の小鍋
⑤家のガスコンロ&普通のヤカン
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【まずは結果発表!】
実験詳細は少し長いので、まずは結果から発表します。
◆沸騰時間 最短は… 1分48秒
②プリムス「P-153」& ユニフレーム:「山クッカー角形3」の小鍋
◆ガス使用量 最小は… 4g
①ジェットボイル zip
◆軽量・コンパクトなのは… 424g (110缶セット)
③プリムス「P-153」& スノーピーク「チタンシングルマグ450」
◆個人的優勝は… ①ジェットボイル zip
- 沸騰時間: 2:19
- ガス量: 4g
- セット重量: 566g (100缶 満タン200g)
- 300cc沸騰可能回数: 25回 (ジェットパワー100: NET100g)
ジェットボイルはガス使用量が特出しており、小さな缶で多くの湯沸かしが可能なのが素晴らしい(2泊3日縦走登山を2回できそう)。
ガス缶が小さくて軽いので、セット重量も抑えられる。
バーナーからの火力は比較的弱いが、沸騰時間も短くて良い。
コンパクトさはそこそこだが、一体感が良い。
全体的にバランスが良く高評価であり優勝とした。
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【検証結果データまとめ】
◆ 沸騰時間・ガス量・セット重量・300ccを沸騰できる回数
①ジェットボイル zip
- 沸騰時間: 2:19
- ガス量: 4g
- セット重量: 566g (100缶 満タン200g)
- 300cc沸騰可能回数: 25回 (ジェットパワー100: NET100g)
②プリムス「P-153」& ユニフレーム:「山クッカー角形3」…の小鍋
- 沸騰時間: 1:48
- ガス量: 8g
- セット重量:
① 544g (110缶 満タン 212g)
② 669g (250缶 満タン 375g)
- 300cc沸騰可能回数:
① 12回 (IP-110:NET100g)
② 28回 (IP-250T: NET225g)
③プリムス「P-153」& スノーピーク「チタンシングルマグ450」
(マグの底面積が小さいのでバーナーのパワーは半分ほどとする)
- 沸騰時間: 4:02
- ガス量: 6g
- セット重量:
① 424g (110缶 満タン212g)
② 587g (250缶 満タン375g)
(チタンシングルマグ300もスタッキングするなら +56g)
- 300cc沸騰可能回数:
① 16回 (IP-110:NET100g)
② 37回 (IP-250T: NET225g)
④イワタニ「ジュニア コンパクトバーナー」& ユニフレーム:「山クッカー角形3」…の小鍋
- 沸騰時間: 2:03
- ガス量 7g
- セット重量: 634g (CB缶 満タン 352g)
- 300cc沸騰可能回数:
①35回 CB缶(NET250g)
⑤家のガスコンロ&普通のヤカン
- 沸騰時間: 2:40
◆バーナー重量(ガスなし)
- ジェットボイル zip (有:ライター、無:ごとく) 366g
- プリムス「P-153」 145g
- イワタニ「ジュニア コンパクトバーナー」 282g
◆クッカー重量
- ユニフレーム:「山クッカー角形3」
小鍋 148g、大鍋 212g、フライパン 105g (セットで 465g)
- スノーピーク「チタンシングルマグ」
450マグ 67g、300マグ 56g
- 普通のヤカン 460g
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【実験詳細】
①ジェットボイル zip
- 熱を逃がさず、お湯が早く沸く
- ガス効率が良くて持っていくガス缶を少なくできる
- コンパクトに収納できる
このキャッチコピーで最近増加している湯沸かし特化のクッカー付きバーナー
(煮物など調理性能は他バーナーに劣ると思う)
「zip」はジェットボイルのラインナップで最も簡素な商品。点火スイッチすら付いていない
収納時、ペットボトルとサイズ比較
コンパクトさは微妙です
中に各パーツが収納されている(ガス缶、バーナー、ごとく、土台)
使用後に汚れが中につかないようにビニール袋にパーツを入れてます、汚れの付いた土台やガス缶を直接クッカー内に入れるのは衛生的に悪そうですよね
底のカップの内側のスペースに小物収納してます(着火用打ち石式ライター、ビニール袋、インスタントコーヒーの粉)
展開時。これらがクッカー内に入ってます。ごとくは普段は使わないので家に置いていきます
内側にメモリがあるのが嬉しいです
組み立てて湯沸かし開始 (着火はライターで)
湯気で沸いたと分かりやすい。蓋を閉めたままでもお湯が注げる穴が開いてるのが便利
【検証結果】
- 沸騰時間 2:19
- 使用ガス量 4g 今回対決の最高効率!
【ガス缶なしの重量】
366g(有:ライター 無:ごとく)
【ガス缶の重量】
ジェットパワー100G 満タン201g、空っぽ100g?
(公式によればこの1缶で約10~12Lの水を沸騰可能らしい)
②プリムス「P-153 ウルトラバーナー」& ユニフレーム:「山クッカー角形3」…の小鍋
- 「P-153」 手のひらサイズのコンパクトなバーナーなのに大火力! (MAXパワーは強すぎて心配になるほどの火力)
- 「山クッカー角形3」は小鍋、大鍋、フライパンのセット。 正方形で使い勝手の良いアルミ製の調理クッカー。
(小鍋は1合炊飯・リフィル麺、大鍋はインスタント麺にちょうどいい。 フライパンはコーティング焦がしてしまった)
今回はP-153のMAX火力をギリギリ受け止められる底面積の「小鍋」を使用する
収納時、ペットボトルとサイズ比較
(ジェットボイルとほぼ同じサイズ感)
中にバーナー収納。他にもまだ小物なら入る
組み立て時
P-153のごとくは小さなマグから大きな鍋まで幅広く対応できるのが優秀
蓋を閉じて湯沸かし開始 凄い大火力!
凄まじいグツグツ感
【検証結果】
- 沸騰時間 1:48 今回対決の最短記録!
- 使用ガス量 8g
(ジェットボイル比: ガス量2倍 沸騰時間0.77倍だった)
【ガス缶なしの重量】
クッカーにバーナー入れて 294g
【ガス缶の重量】
- 110サイズ(小) IP-110 満タン 213g、空っぽ101g
- 250サイズ(中) IP-250 満タン375g、空っぽ150g
③プリムス「P-153 ウルトラバーナー」& スノーピーク「チタンシングルマグ450」
(スノーピークには チタンダブルマグ もあるが、火にかけてはダメ)
マグの底面積が小さいのでバーナーのパワーは半分ほどとする
展開時
収納時 ペットボトルとサイズ比較
今回のエントリーの中で一番コンパクトです
チタンシングルマグ450にチタンシングルマグ300をスタッキングできます
熱効率が良くなるようにアルミホイルで蓋をする
登山ごとに使い捨ててます
【検証結果】
沸騰時間 4:02 バーナーの火力を活かせず長め
使用ガス量 6g
【ガス缶なしの重量】
- バーナー ケース入り 145g
- 450マグ 67g、300マグ 56g
【ガス缶の重量】
110サイズ(小) IP-110 満タン 213g、空っぽ101g
250サイズ(中) IP-250 満タン375g、空っぽ150g
④イワタニ「ジュニア コンパクトバーナー」& ユニフレーム:「山クッカー角形3」…の小鍋
- イワタニ「ジュニアコンパクトバーナー」はCB缶を使うバーナー
(私が初めて買ったバーナー。10年前にバイクでのキャンプツーリング用に購入し、今でも現役のタフなやつ)
登山メーカーのバーナーに比べると、軽量ではなく、コンパクトでもない
CB缶はどこでも売ってるし、安いのでコスパが良い
- クッカーはさっきの②と同じユニフレームの山クッカーの小鍋
展開時
今でもオートキャンプでは、このセットで炊飯しています。 1合炊きがちょうど良い
収納時 バーナーはクッカーに入れてます
蓋が閉まりきらないです
鍋が傷付かないように布でくるんでます
湯沸かし開始
MAXだと結構強い火です。ジェットボイルと似た火口だけど2倍くらい火力あります
【検証結果】
- 沸騰時間 2:03
- 使用ガス量 7g
【ガス缶なしの重量】
バーナーと布カバー 282g
(購入時はプラスチックケースが付きますがスタッキング性を上げるために使ってません)
【ガス缶の重量】
CB缶(NET250g) 新品352g 、 空っぽ100g
⑤家のガスコンロ&普通のヤカン
- ステンレス製のヤカン 1.2リットル用
- 都市ガスのガスコンロ
いつも何気なく家で使ってるが、ついでに検証する
【検証結果】
沸騰時間 2:40
やかん自体が大きいので熱をもつまで時間がかかるようだ
【重さ】
ヤカン 460g
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【考察・所感】
私はこれらの道具を購入する時は、ネット・通販の口コミ・YouTubeでのレビューなどを参考にしてきたが、それぞれは単品の有効性を紹介しているものが多かったので、今回の湯沸かし対決を行った
その結果、お湯が短時間で沸くのは高火力な「P-153」で、ガス消費量が少ないのはクッカーが特殊な「ジェットボイル」となった。
私は毎回登山前にどのバーナーとクッカーを持っていくか迷っていたが、今回の結果から以下のように使い分けることとしたい
◆日帰り登山、山小屋泊登山
- プリムス「P-153」& スノーピーク「チタンシングルマグ450」(250缶とセットで587g)
何度か使って少なくなったガス缶でも1,2回分なら安心、ガスが減ってればジェットボイルより軽い、110缶よりコスパの良い250缶を常用
◆テント1泊2日の登山(5回くらい使用)
- ジェットボイルzip (100缶とセットで566g)
もしくは
-
プリムス「P-153」& ユニフレーム:「山クッカー角形3」の小鍋と大鍋 (250缶とセットで881g)
1泊装備なら軽いので、クッカーで普通に料理しても良い(小鍋で炊飯、大鍋で煮物)
◆テント2泊3日以上の登山(10回以上使用)
- ジェットボイルzip (100缶とセットで566g)
必ずガス缶は新品とする。カップ麺やアルファ米だけだと飽きるのでジェットボイル調理や、山小屋食堂利用を検討する。
そして、それぞれにスノーピーク「チタンシングルマグ300」(56g)を追加して、ドリップコーヒーやフリーズドライ味噌汁を優雅に楽しみたい。
今回は私の持っている道具の比較でしたが、固形燃料で軽量コンパクトを極める方や、重いけど好きな道具を使う方など、人それぞれ何を大切と考えるかは違うでしょう
これを読んで頂けた皆様のベストセットをコメントして頂けたら嬉しいです。